ありふれた季節の先に

明日あなたにも起こるかもしれない…。そんな感動的で素敵なエピソードを紹介しています。

46歳 男性 会社員 緑山公一さんのエピソード

昔、甲子園に行ったことがある。

 

と言っても試合に出ていたわけでもない。むしろ野球部じゃなかった。

前を通った事があるのだ。

 

学生時代は当時としては先駆けだった電子工学研究会だった。

 

だからパソコンを組み立てることは出来る。

とはいってもプログラムや配線をいじれる訳じゃない。

 

説明書通りにデスクトップパソコンの外観を組み上げられるのだ。

 

だからかプラモデルを組み上げるのが趣味だ。

 

とはいっても塗装なんかはせずもっぱら素組みだ。

 

好きなのは城のプラモ、だからパッと見は味気無い。

 

 

でも城に関しては詳しい。

 

カリオストロの城はもう30回は見た。

 

やったことはないが屋根から屋根をジャンプするあれはできる気がする。というかきっと出来る。

 

でもハウルの動く城はそんなに見てない。

 

正直、美輪明宏が出てたかどうかとかあやふやだ。

 

でもキムタクと同い年だし、正直キムタクには勝ってると思う。世間はどうか知らないけど自負してる。

 

 

嫁は工藤静香じゃない。娘もモデルデビューしてない。

ていうか、嫁がいない。むしろ彼女すらいない。

 

 

でも、孤独と言う訳じゃない。

結婚や恋愛が幸せかと言えばそうじゃないし、一人じゃないと出来ないことは沢山ある。

 

一人じゃないと家の中を裸で徘徊できない。

 

 

あの解放感がたまらないのだ。

外では出来ないという背徳感を同時に感じられるのだ。

 

というか背徳感の方が7-3で強い。

 

だから私はもう会うことのない人には大袈裟な経歴を言ってしまう。背徳感がたまらないからだ。

 

 

大体甲子園に行ったという事に決めている。

 

 

でも嘘じゃない。

 

 

昔、甲子園に行った事がある…。

 

 

 

                            つづく